top of page
稔 鈴木

エフェクチュエーションの5原則


■手中の鳥(Bird-in-Hand)の原則

これは、「新しい方法を発見するのではなく、手持ちの手段で何か新しいものを作る」という原則です。自分が何を持っているかを知り、自分の持っているものから始めようという考え方です。いきなり理想の目的を追求するのではなく、すでに手に持っているもの(能力、専門性、人脈など…)・身近にあるものを活用して始めます。普段は、資源だと認識しないものであっても、優れた起業家はそれさえも資源と捉え、活用することができると言います。

サラスバシー教授は、誰もが使える手中の鳥の考え方として「Who I am」「What I know」「Who I know」の3つを挙げ※、それらで自分自身の持つ資源を洗い出すことができるとしています。 ※ SOCIETY FOR EFFECTUATION、   https://www.effectuation.org/?page_id=4055&principle=bird-in-hand


■許容可能な損失(Affordable Loss)の原則

これは、その人が「いくらまでなら損しても良いか」を決めるところから始め、その後、限られた手段を梯子として創造的に活用することで、新たな目標と新たな手段を創り出すことを重視するという原則です。この「許容可能な損失」の範囲は個人によって異なり、ライフステージなどの取り巻く環境が影響します。持続的な実践を遂行するための、最低限のコストを見極めることが、許容可能な損失を考える上で必要です。


■クレイジーキルト(Patchwork Quilt)の原則

これは、Co-creation Partnershipとも表され※7、「目的のため関与者を集めるのではなく、すでに周りにいる関与者と共に新しいものを作っていこう」という原則です。 通常「クレイジーキルト」とは、不規則に布を縫い合わせて一枚の大きな布を作ることを言います。一方で、パズルは完成形という目標に向かって、何枚ものピースをつないでいきますが、エフェクチュエーションの考え方ではそうではありません。このクレイジーキルトとパズルの違いは、クレイジーキルトは手元にある様々な布を用いて、完成図の無い1枚の新しいもの(コースターやランチョンマットなど)を作りますが、パズルは完成図(絵)が決まっているという点です。これは「手中の鳥の原則」と重なる部分があります。


■レモネード(Lemonade)の原則

これは「予期せぬ事態を梯子として、不確実な状況を認めて対応する」という原則です。アメリカのことわざに、When life gives you lemons, make lemonade.というものがあります。これは「人生がレモンを与えたときには、レモネードを作りなさい。」という意味です。アメリカでは、レモンは使えないものの例えとして出てきますが、そのようなものでも新たな価値を生み出すものとして使っていこうということです。使えないレモンであれば、レモネードにして美味しくいただこう!というように、失敗などの予期せぬ事態に対して、それを利用してより良い状況に変えていこうということです。


■飛行機の中のパイロット (Pilot-in-the-plane)の原則

これは「不確実な状況に対して、その時々で柔軟に対応する」という原則です。エフェクチュエーションでは、未来は発見されたり予測されたりするものではなく、その人の行動によって構築されると考えられています。先のことを予測してあれこれ準備するのではなく、その状況に応じて臨機応変に対応することに集中しましょうということです



5つの行動原則(出典:SOCIETY FOR EFFECTUATION)https://www.effectuation.org/?page_id=18 2021年9月30日閲覧


閲覧数:21回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page